車を手放すかもしれないからと、愛車の撮影をしたの友人の言葉。
人を想い。車を想う。
通常の何倍もの時間を撮影と現像に費やす悠佑の作品「車真」は、
悠佑自身がファインダーを通して感じた、車への愛情表現です。
作品に通じるテーマは "色"。
単純に色彩としての色ではなく、
撮影する車の生い立ち、オーナーの想い、そして歴史、
それらを紐解いた先にある "色" を描き完成する「車真」。
これまで撮影した車両の数は1000台を数え、
悠佑の丁寧に"色"を重ねた作品である「車真」は、
多くのスーパーカーオーナーから絶大な支持を集め、
ソニーのサポートによる個展「車真展」の開催にあたり、
車を人物のように撮影しているという意味で
「カーポートレート」と称されました。
「車真」の被写体には、1作品ごとそれぞれの想いが宿っています。
悠佑自身が語る1つ1つの作品への想いと共に
ゆっくりとお楽しみください。
作品展 「 – 車真 - 今を生きる車たち 」 より
I try to use photography to capture a sense of the precious time people spend in their cherished cars, to convey memories of a cherished page from the owner’s life. The sharing of that hope with the owner by viewing an image together, and especially the polishing of the image through developing and processing until it reaches the level of fine art photography – that is what I call a “Car Photo.”
What “exists” therein is not merely a photographed car. It is an image of a “living” care into which an overflowing abundance of love has been poured.
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大切な愛車と過ごすかけがえのない時間、そして大切な人生の1ページである想い出を、撮影を通して残したい。その想いをオーナーと共有し、撮影に臨み、更には現像、加工工程を経て作品と呼べる水準まで磨き上げられた珠玉の写真、それを -車真- と呼ぶ。
そこに”在る”のは、単なる車の写真ではなく、溢れんばかりの愛情を注がれる”生きた”車の姿だ。
Of course, every car in this show has an owner. Putting them together in scenes that reveal how dearly, how generously the owners pour love upon their personal cars, is an indispensable part of this car photo show.
There are joyful owners shot just after the new car has arrived, there are casual everyday scenes, there are frames that include the owner’s life partner. There are photos taken on sunny days, on rainy days, even on snowy days.
This part of the exhibition elaborates some of the endlessly differing ways people interact with their personal/beloved cars, reminding us of the easily overlooked fact that the presence of the person is part of a car’s existence.
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車両には、当然ながら所有者であるオーナーが存在する。自らの所有する車をこよなく愛し、惜しみなく愛情を注ぐその姿は、撮影テーマでもある -車真- には欠かせない大切なワンシーンだ。
納車直後の喜びとともに撮影することも、あるいは飾らない日常の一コマを撮影することもあるし、大切な人と一緒に撮影したシーンもある。晴天の撮影はもちろん、雨の日も、はたまた雪の日もある。
それぞれに異なる、実に様々な愛車との接し方を克明に捉えたこのコーナーは、”人がいて車が在る” つい忘れがちなその事実を、改めて意識させられる。
In what type of setting might a proud owner be found gazing at the exterior of their car? It might be inside the garage at home, or just after parking at a destination, or they could be looking at the car while enjoying a break on the terrace of a coffee shop.
Yet looking at one’s own car from the outside while it is in motion is basically impossible – totally impossible when the owner is driving.
I knew that if I could somehow use photography to convey both the moving car and the driving owner, the images could have a special, charged dynamism. The style I finally came up with to realize that concept is these “parallel shots.”
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車の所有者たるオーナーが、自らの愛車を外から眺められる場面はどんな場面があるだろうか?
自宅のガレージに停まっている姿、出先で駐車した時、あるいは愛車の姿を眺めながらティータイムを楽しめるカフェのテラスかもしれない。
しかし、愛車が生き生きと動いている姿を外から眺める事は不可能と言ってもいい。特に、自らが運転している姿は尚更だ。
生き生きと動いている愛車と、運転をしているオーナーの躍動感溢れる姿を、写真を通して届けたい。そんな想いを具現化するために辿り着いた撮影スタイルが、この「並走撮影」だ。
※安全装備を着用の上、株式会社富士スピードウェイの許諾・協力を得て撮影しています。